今回は少し特殊記事回です。
ソニーからPHYSINTのキャンセルというとんでもない事件が発生し、そのことについて思ったことを文章にしてみようとこの記事を書きました。
「それ、あなたの感想ですよね?」と言われたらそれまでなのですが、とにかく思ったことを書き殴りました。お前の話し聞いてやろうという方は是非見ていってください!
本編ココから
ソニー・インタラクティブエンタテインメントがコジマプロダクションの完全新作であるPHYSINTの開発契約を突如として解除し、プロジェクトを手放したこと。
そしてデス・ストランディング2の販売実績が累計約200万本前後という鈍い数字で頭打ちになったことは、決して偶発的な悲劇でもソニーの理不尽な裏切りでもないと思っています。
発売からわずか1ヶ月でトロフィーをすべて集め切るまで徹底的にやり込んだ一人のプレイヤーとして断言いたしますが、この結果は完全に必然であり、至極真っ当な結末だと思っています。
何年もの歳月と巨額の資金を投じて映画気取りの超大作を仕立て上げても、ゲームとしての本質的な驚きを失い、発売からわずか1ヶ月で消費し尽くされて誰もいなくなるような作品に、プラットフォームホルダーが莫大な追加投資を続けられるはずがないからというのが結論です。
なぜあれほど前作で世界を熱狂させた看板タイトルが、ここまで急速に失速してしまったのでしょうか?
理由は極めて明確です。
どれほど豪華なハリウッド俳優を並べ立て、美麗な映像で外見を飾り立てたとしても、根底にあるゲームプレイの体験価値が前作の惰性と焼き直しに終始していたため、熱狂的なファン以外の一般層をまったく巻き込めなかったからと断言できます。
実際に私自身、デススト2をトロフィーコンプリートまで駆け抜けた実体験を振り返ってみても、今作における進化の手応えは驚くほど薄いものでした。
確かに扱える武器が増えたり、細かなアクションや操作性は向上、配達のしやすさ。
それは単なる表面的な足し算に過ぎず、根幹にある配達という体験そのものには何ひとつ新しい驚きがありませんでした。
用意された依頼のバリエーションにしても、時間制限、割れ物、クール便、大量輸送といった前作で見慣れた枠組みをなぞっているだけで、どのルートを通るかというパズルのような作業を機械的にこなす以上の感情の揺さぶりは生まれなかったというのが正直な感想です。
デスストとしての素材そのものは間違いなく最高級の一級品であるにもかかわらず、料理の仕方が前作と寸分違わぬ使い回しであったため、配達という行為そのものが次第に苦痛な作業へと変わっていってしまいました。
さらに古くからのファンとして寂しさを覚えたのは、かつて小島監督の作品に必ず満ち溢れていた、プレイヤーの度肝を抜くような遊び心や企みが息を潜めていた点です。
例えば、メタルギアソリッド3でステータス画面を回転させ続けるとゲーム画面に戻った瞬間にスネークが嘔吐するような悪戯心や、メタルギアソリッド2の無線で突きつけられたデジタル社会の本質を突くような鋭い先見性など、かつては常識を鮮やかに破壊し、『さすが小島監督ッ!!』と唸らされる仕掛けが随所に散りばめられていました。
…しかし、デス・ストランディング2には、そうしたシステムそのものを疑わせるような実験的精神や知的な毒気がほとんど感じられず、全体が綺麗に整えられた安全なレールの上を走っているかのような物足りなさが終始つきまとっていました。
映画のような長尺のカットシーンや豪華なキャスティングそのものを否定するつもりは一切ありません。
ゲームプレイと物語の吸引力が完璧なバランスで拮抗しているならば、どれほど長いムービーであってもプレイヤーへの極上のご褒美として機能すると思っています。
しかし、土台となるゲームプレイの驚きが失われ、同じことの繰り返しになってしまった瞬間に、その重厚なドラマは見たいと思わせる原動力から、ただテンポを削ぐだけの重苦しい足かせへと反転するのではないでしょうか?少なからず、私はそう思ってしまいました…。
その結果として訪れたのが、コミュニティの急激な過疎化と、クリア後の圧倒的な虚無感でした。
前作で世界中を繋いだはずの道づくりやジップライン網の構築も、二度目となれば新鮮味はなく、他者とインフラを支え合う熱気は急速に冷え切っていきました。
発売後に追加の配達やストーリー、新たな敵等々を拡張するようなアップデートが継続されるわけでもなく、ストーリーを終えてトロコンを達成した瞬間、広大な荒野にはただ誰もいなくなったという虚無感と言うか、ただただ静寂だけが残った形です。
マインクラフトやあつまれどうぶつの森のように長く愛され、語り継がれるような持続性は皆無であり、多くのプレイヤーが1ヶ月程度で完全に満足して二度とソフトを起動しなくなってしまったのです。
もし普段ゲームを遊んでいる親しい友人から「デススト2を買うべき?」と尋ねられたなら、私は迷うことなく、最初は面白いけれどすぐに飽きるからやめておけ、と答えざるを得ません。
ソニーを養護する気は全く無いですが、このプレイヤー側の冷めた現実こそが、PHYSINTを手放さざるを得なかった決定的な背景と直結しているのではないかと思っています。
現在のプレイステーションを取り巻く環境は決して楽観できるものではありません。なんなら不満しか無いですし、私自身、今後のゲームはSwitch2に移行していこうと思っています。
ソニーの動向として、国内パッケージ市場の急速な縮小、過去ハードのストア閉鎖に向けた動き、相次ぐファーストパーティスタジオの閉鎖や再編、そして何よりもプラットフォームを強力に牽引するAAAタイトルの慢性的な不足など、ソニー自身が経営の筋肉質化とコストの極限までの見直しを迫られています。
そうした切迫した台所事情の中で、何百億円という開発費を飲み込みながら、発売からわずか1ヶ月で消費され尽くし、中古市場へ流れて200万本程度(PS5で160万本+PCで40万本)で止まってしまうようなタイトルを前にして、さらなる莫大な予算を要する完全新作スパイアクションの継続にゴーサインを出せるはずがありません。
ソニーの決断は冷血な切り捨てなどではなく、破綻した投資対効果から身を守るための、企業として極めて合理的かつ当然の防衛策だったのかなと。
キャンセルされたPHYSINTを拾い上げたマイクロソフトの存在も、決して手放しの救世主では無いと思っています。
Game Passのカタログを充実させ、日本やアジア市場への足がかりとして世界的な著名クリエイターの看板を利用したいという思惑が合致したに過ぎず、コジマプロダクションにとっては溺れる者が掴んだ藁に近い状態と言えるのではないでしょうか?
開発プラットフォームが変わったとしても、何年もの歳月と巨額の資金をかけて短期間で飽きられる大作を作るという構造そのものを改めない限り、遠からず同じ壁に突き当たることは火を見るより明らかです。
結論として、デス・ストランディング2の約200万本という失速と、ソニーによるPHYSINTの契約解除は、長年にわたりゲーム業界を支配してきた大作至上主義と映画的体験偏重のビジネスモデルが、いよいよ完全に限界を迎えたことを証明しています。
つまり、これはコジマプロダクションの明確な失敗に他ならないのですが、今後の展開として予想されるのは、新天地であるマイクロソフトの傘下においても、さらに過酷で冷徹な結末が待ち受けているという厳しい現実です。
どれほどパブリッシャーの看板を都合よく架け替えたところで、莫大な開発資金と何年もの歳月を費やし、わずか1ヶ月で消費され尽くしてしまう映画気取りのゲームを作るという根本的な構造的欠陥は、何ひとつ解決されていないからです。
実際に現在のマイクロソフトのゲーム事業を冷静に見つめ直してみますと、その内情はソニー以上に冷酷無比なコストカットの嵐が吹き荒れています。
巨額の買収を重ねた結果として親会社から突きつけられているのは絶対的な採算性であり、成果が出なければ名門スタジオであっても容赦なく閉鎖やプロジェクト中止へと追い込まれる事例が相次いでいます。
そのようなシビアな環境において、発売直後の一瞬だけ話題になって急速に過疎化するような作品が許容される猶予は、決して長くありません。
もしPHYSINTの開発が長期化し、制作費が青天井に膨らみ続けた場合、マイクロソフトであっても発売を待たずに開発中止の引き金を引くことは、十分に現実的なシナリオとして考えられます。
したがって、コジマプロダクションがこの先も独立したクリエイター集団として生き残るために真に必要なのは、巨大資本のパトロンを渡り歩くことではなく、自分たちが生み出すゲームの本質そのものを大胆に再構築することです。
映画への憧憬や著名人との華やかな交流から一度距離を置き、かつて世界中のファンを熱狂させたような、システムそのもののアイデアや先見性で驚きを与え、何年経ってもプレイヤーがコントローラーを握り直したくなるような純粋なゲームデザインへ原点回帰できるかどうかに、スタジオの存亡がかかっていると思っています。
もしその変革を果たせず、同じような大作主義と映画的演出の惰性を繰り返すのであれば、今回のソニーからの離脱は単なるパブリッシャーの移籍劇などではなく、ゲーム業界の一時代を築いたかつてのカリスマが時代の変化に取り残され、静かに漂流していく終わりの始まりになってしまうのではないでしょうか。
コジプロというか小島監督には頑張ってほしいところですが、今の時代の流れと作品を出すスピードが噛み合っていない、そして出したゲームのケアが出来てないところを見ると、コジプロも先は長くない可能性もありますが…どうなんでしょうね。
今後も動向を見守りたいと思います。
それでは最後までご覧いただきありがとうございました。